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オシレーターをお使いで「よく言葉は聞くし、手法に取り入れてるけど仕組みはわかってない」という方は多いのではないでしょうか。今まで誰も教えてくれなかった「オシレーターの本質」について解説します。
- ざっくりとしたオシレーターのイメージがつかめる
- オシレーターの使い方がわかる
もくじ


オシレーターは、インジケーターの中の1つのカテゴリ(種類)だと思ってください。日本語で「振り子」という意味で、よく「買われすぎ」「売られすぎ」「過熱感」を見るために使われます
- トレンド系インジケーター
(移動平均線、ボリンジャーバンドなど) - オシレーター系インジケーター
(RSI、ストキャス、RCI、MACD、モメンタムなど) - ローソク足系インジケータ
(プライスアクションやサイクルを用いたものなど)

RSIとは

ざっくりいうと…RSIは一定期間の全値動きに対して直近の値動きがどれくらい大きく動いたかを見るもの
RSI(アールエスアイ)は「Relative Strength Index」の略で、相対力指数とも呼ばれます。
サイキックスが知る限り、RSIは全オシレーターの中でも断トツで利用者数が多いです。オシレーター系はどれも正直似たり寄ったりな動きをするのですが、RSIが一番素直な動きをしやすいイメージがあります。
RSIの計算式
最初の平均上昇幅=(n日間の上昇幅の合計)÷n
平均上昇幅={前日までの平均上昇幅x(n-1)+直近の上昇幅}÷n
RSIのおすすめインジケーター
RSIにアラート、メール通知を搭載したインジケーター


「RSIが30以下、70以上の時だけトレードしたい」というトレーダーには最高に便利なインジケーター
RSI逆張りシグナル


大人気手法「RSI上限、下限での逆張り」をシグナルツール化

ストキャスティクスとは

ざっくりいうと…ストキャスは、一定期間の最高値と最安値の中で直近の値動きの位置が高いか/低いかを見るもの
ストキャスティクスの計算式
%K=(現在値-N日間の最安値)÷(N日間の最高値-N日間の最安値)
%D=%Kの3日平均
スロー%D=%Dの3日移動平均
ストキャスティクスのおすすめインジケーター
アラート&メール通知機能ストキャスティクス


純正のストキャスにアラート&メール&プッシュ通知をつけたインジケーターです。私のストキャスインジの中で人気No.1
ストキャス逆張りシグナルツール


ストキャスの20と80到達で逆張り矢印サインを出すインジケーターです。バイナリーでストキャスが使われるのは大体が逆張り手法であり、ストキャスの有効性確認に使えます。
ストキャスのゴールデンクロス順張りシグナル


ストキャスティクス%Kと%Dのゴールデンクロス/デットクロスで順張り矢印サインを出すインジケーターです。
複数時間足のストキャスを同時表示するインジ


サブウィンドウに4つの時間帯のストキャスを表示させるインジケーターです。1時間足、15分足、5分足、1分足と言った具合に一目でマルチタイム分析を行えます。

MACDとは

ざっくりいうと…MACD(マックディー)とは短期EMAから長期EMA(指数移動平均)を引いたもの
MACD(マックディー)とはMoving Average Convergence Divergenceの略で移動平均線を元にしたオシレーターです。
MACDは、シグナル線とMACD線とヒストグラムから構成されています。
個人的にMACDは、オシレーターの中でも使えない位置付けにあると考えています。というのもRSIやストキャスティクスと比べても反応が遅く、逆張り指標としてみた時にも抜ける利幅が少ない傾向があるからです。
MACDの計算式
当日の指数平滑平均=前日の指数平滑平均+α×(当日の終値ー前日の指数平滑平均)
α=2÷(n+1)
n:初日の単純平均の期間
※初日は単純移動平均線(SMA)を使用
MACDのおすすめインジケーター
MACDゴールデンクロスで順張りサインを出すシグナルツール


MACDがゴールデンクロス/デッドクロスしたときに矢印が出ます
MTF対応MACD


上位足のMACDを下位足に表示させることができます。
複数表示MACD


時間軸の異なる2〜7個のMACDを1つのチャートに表示することができるインジケーターです。

RCIとは

ざっくりいうと…RCIとは期間中の値動きを順位付けして何位にいるかを計算するもの
国内のFX業者の提供しているチャートソフトではデフォルトでRCIが入っていまることもありますが、基本MT4には初期搭載されていないため、RCIを使いたい場合は、自分でカスタムインジケーターとして入れる必要があります。
人気ながらも、RCI系のロジック、拡張インジケーター(改造)はRSI、ストキャスなどのその他オシレーターと比べて明らかに少ないです。
海外で人気がない、MT4に標準搭載されていない、インジケーター関数として登録されていないというのも理由としてありますが
RCIは「日付データと価格データに順位付けをする」という複雑な処理を行うので、他のインジと比べて開発の難易度が高く、よくMQL4を理解しているプログラマーじゃないと作れないのです。
RCIの計算式
RCI = ( 1 – 6y / ( N × ( N^2 – 1 ) ) ) × 100
α = 時間の順位
β = レートの順位
y = (α-β)^2 の合計
RCIのおすすめインジケーター
天底RCI(トリプルRCI)


3本のRCIをまとめて表示できるインジケーター
ダイバージェンスとは


ダイバージェンス(divergence)とは、ローソク足とオシレーター系のテクニカルが逆行している状態のことを指します。(例:ローソク足が安値を切り下げているのに対してオシレーターは上昇している)
ヒドゥンダイバージェンスとは


ヒドゥンジェンス(hidden divergence)とは、隠された逆行という意味で、ダイバージェンスで分析していた範囲よりも大きなトレンドに対して、逆行現象が起きている状態を指します。(例:大きなトレンドは下降だが、オシレーターは上昇している)
オシレーターを使っても勝てない理由

オシレーターは基本的に一定期間の平均を出し、そこで足したり引いたりかけたり計算したものになります。
平均系の指標は、分析期間の中でのボラティリティが一定であればあるほど(落ち着いてた値動きをしているほど)精度は高くなりますが、逆に外れ値が大きく一定でない状態は実態の相場環境と乖離をうみやすくなります。
すごい雑に例えると、
10人の年収の平均値を出すときに1人年収1億。残り9人は全員無職で年収0円だとしましょう。それでも「平均年収1000万円」になります。
平均年収1000万と聞くと「なんだかエリート集団だな。」と感じてしまいますが、箱を開ければうち9人は無職。
ただ「平均年収1000万」ということ自体は事実ですよね。

オシレーターの逆張りで勝てなかったり、騙しに合うのはオシレーターが悪いわけではなく「オシレーターが指し示している数値」に対して誤った解釈をするトレーダーに問題があるのです。
オシレーターが勝ちやすい相場環境のみトレードする


オシレーターが勝ちやすい相場環境は「ボックスレンジ」のような値動きが落ち着いていてボラが一定である相場になります。
外れ値が小さいければ小さいほど、オシレーターと実際のチャートの乖離が少なくなるからです。
逆にオシレーターが負けやすい瞬間は外れ値が大きい「突発的にボラティリティ が高まった時」「強いトレンド発生している時」です。

バイナリーオプションにおける最強オシレーター

2021年においてどのオシレーターの実力を比較しても「どんぐりの背比べ」でしかありません。
時代によって有効なロジックは変わり、2021年においてオシレーター単体ではお金が増えるロジックはないと考えています。
オシレーターの30/70などの数値の逆張り、複数の期間を組み合わせてのゴールデンクロスなど色んな手法を検証しましたが、4年連続でフォワード勝率56%超えるインジケーターは存在しませんでした。
FXにおける最強オシレーターと手法

FXの場合はオシレーターで瞬間的な反発を狙うというより「相場の過熱感」を見るために使われると思います。BO同様「2021年においてオシレーターは有効性が低い」という考えは変わりませんが、FXの場合には1つオススメの使い方があります。
「限界運動量と合わせてRSIを使う手法」です。
具体的にはNY時間後半に、限界運動量をすでに超えているドルストレート通貨を探し、RSIの状況を見てみてください。
オシレーターは単体では使えなくても、通貨ペア特性、時間特性、ボラティリティと合わせて分析することで有効な指標になる場合があります。

オシレーターのざっくりしたイメージや勝ちやすい相場環境についてご理解いただけましたでしょうか。
仕組みや優位性をわからないまま「このオシレーターとボリバンを組み合わせで勝率80%!」のようなネットの情報を鵜呑みにして、コロコロ手法を変えても勝てることはありません。
一生終わらない聖杯探しはもうやめましょう。