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一般的なダウ理論の解説から実践的な使い方と使えない部分についてなど「ダウ理論」を丸ごと開設しました。
もくじ
ダウ理論とは
- 格(平均株価)は全ての事象を織り込む
- トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階から形成される
- 価格は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認される必要がある
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

ダウ理論は6つの基本法則から構成されたチャールズダウが1889年に作成した主にトレンドにまつわるトレード理論になります。
1. 価格(平均株価)は全ての事象を織り込む
為替は、景気動向、金利・物価、国際収支などのファンダメンタルズの影響を少なからず受けています。
為替が変動する理由は、これらの情報が直接的な原因ではなく「その情報をもとに売買をする投資家がいるから」
ダウ理論では、今回のコロナショックのように、大きなファンダメンタルなどがあった際でも、全ての事象は値動きに反映されることを意味しています。

これは100%同意です。
どんな強いファンダメンタルによる急変動があったとしてもそれはファンダを背景に投資家による売買が行われているから動くのであって、事件自体が変動させているわけではないのです。
2. 主要トレンドは3種類からなる

文字通り、ダウ理論ではトレンドを主要トレンド(長期)、二次トレンド(中期)、小トレンド(短期)の3つに分けて考えられています。
主要トレンド(長期) | 1年〜数年 |
---|---|
二次トレンド(中期) | 3週間〜数ヶ月 |
小トレンド(短期) | 3週間未満 |

100%同意です。
ただ気をつけなければいけないのが、ダウ理論が開発された当時と比べて現在のチャートはサイクル形成が極めて早くなっているということ。
つまり、数年単位、数ヶ月単位よりも小さい単位でトレンドを3つに分けて考えてあげなくてはならない。
これをトレードに取り入れたのが、複数の時間軸でチャートを分析するMTF分析(マルチタイムフレーム)ですね。


3. 主要なトレンドは3つの段階から形成される
ダウ理論ではトレンドには以下の3つの段階があると考えています。
第1段階 | 先行期 |
---|---|
第2段階 | 追随期 |
第3段階 | 利食い期 |
市場価格が下落し全ての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、いわゆる”底値買い”をする時期。価格は、下落しているか底値圏で上下している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
レンジ、ペナント、ジリ上げのような状態
追随期 は、先行期 でのジリ上げ、もしくは底値固めの停滞に反応した投資家が買いを入れ、市場全体がその動きに追随し価格が大きく上昇します。
- 徐々にトレンドに角度がついてくる
- ある程度明確なトレンドが発生している
価格が充分に上昇したところを見て、先行期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期。価格は既にその前から上昇局面にあるものの、その上昇する値幅は小さくなっている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
誰が見ても明白なトレンドが発生している

70%の同意です。
考え方としては概ね賛同できますが、私は厳密にトレンドには4つの段階があると考えています。

第1段階:底値固め
第2段階:初期のトレンド形成
第3段階:トレンドが明確に形成
第4段階: 天井圏/底値圏
ダウ理論の3段階の2段階目にあたる部分
トレンド形成の過程を「前半と後半」に分けて考えています。

そんなのどっちでもいいじゃないか
と思う方もいるかと思いますが、

底値固めが終わってトレンドが明確に発生し始める追随期の「前半」と「後半」ではエントリーの手段も市場のポジションの状態も明確に異なります。(前半は積極的に順張りを狙っていくべきだが、後半は条件による)

4. 価格は相互に確認される必要がある
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ダウ理論
あんまり重要ではないので割愛します。

40%の同意です。が、FXのスキャルピング、バイナリーの場合には他通貨を意識しすぎない方が良いと考えています。
意味のないノイズに惑わされて、エントリーが遅くなっちゃうだけでなんで。

5. トレンドは出来高でも確認される必要がある

トレンドが発生する際には出来高も大きくなるという考え方になります。
要点としては
- 出来高が伴わない短期間の上昇はダマしで終わる可能性が高く、ラインでもただのフェイクブレイクの可能性が高い
- 出来高を伴ったトレンドが発生が発生した際に、トレンドの進行に合わせ、出来高が減少している場合にはトレンドの終了を示していることが多い
というものになります。

100%同意です。
為替においても出来高はかなり値動きに影響を与えます。
また出来高及び流動性(リクイディティ)を確認しないと、エントリーできても利確できない約定できないということが起こる場合があります。特にスキャルパーは絶対に出来高を意識するべきところでしょう。
MT4出来高インジケーター(volume)で表示される出来高は「擬似出来高」であり、本来の出来高を表す指標ではありません。
6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

ダウ理論ではトレンドは明確な転換シグナル(上昇トレンド時の前回安値割れ、下降トレンド時の前回高値超え)が出るまではトレンドは継続をしていると考えています。

ここが一番誤解されやすところで、ここをそのまま真に受けているようであれば、一生養分のままです。
ダウ理論の核心とも言えるところが現代において明確に勘違いを行なっています。
何故ならばトレンドの終了サインである「明確な転換シグナル」は高値や安値を割ったところではないからです。
前回高値安値は意識されます。ただそこで明確なポジションの偏りが生まれたり、転換地点となるような追加のエントリーが入るような場所ではありません。
この多くの人が前回高値超え/安値割れを「明確な転換サイン」だと捉えているからこそ、「ダウ理論が勝てない」と言われる所以になります。

ダウ理論は当たり前のことを言っているだけで実用性がない部分が結構あります。
例えば「トレンドは出来高でも観測される必要がある」これは当たり前のことで「上昇トレンドは買いが強い」と言われているようなもんです。
例えば「上昇トレンドは買いが強い」これは当たり前ですが、だからって上昇トレンドで闇雲にロングしたら負けるの想像つきません?
じゃあ具体的にそれを判断するにはどうすれば良いか?
それについてはダウ理論には記載されてはいないのです。
ただこの当たり前で凡庸性が高いことをいいことに、
他のFXサイトでは「ダウ理論の本質」が3流トレーダーの変な解釈でねじ曲がて伝えられていることも多いので注意しましょう。

ダウ理論に特化した高値安値を可視化できるZigZagインジケーターを無料配布しているので、良ければどうぞ


ダウ理論とは何か?を見る時にただ前回高値/前回安値だけをダウ理論だと思ってトレードしていませんでしたか?
- 流行っている手法だから勝てる
- 王道の手法だから勝てる
なんてことは投資の世界ではありません。
ダウ理論の本質的な部分を理解し、実際に手法に組み込むにはどう落とし込めば良いのかを自分の頭で考えられるようになりましょう。