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エリオット波動論を使った手法はたくさん存在しますが「何をどう使っていいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。バイナリーでエリオット波動論をゼロから解説し、実際にどう使うべきなのかもお伝えします。
もくじ

チャートは「推進5波・調整3波」の規則持って動きやすいという考え方を軸にして作られたテクニカル論(※上昇トレンドの場合)
①上昇→②下降→③上昇→④下降→⑤上昇
【A】下降→【B】上昇→【C】下降

要は相場は不規則に動いているように見えて「推進波と調整波の繰り返しの規則的な動き方で動いているよ」というのがエリオット波動の考え方
エリオット波動の波の数え方のルール
エリオット波動にはいくつか原則となる波の数え方のルールがあります。
- 第1波の高値を第4派の安値が割ってはいけない
- 第2波の安値を第1波の安値を割ってはいけない
- 第3波が推進波の中で、最も大きい必要がある
等がありますが、ここでは割愛します。
またエリオット波動をフィボナッチリトレースメントと組み合わせたり、値幅観測論を合わせて使う手法も存在します。

エリオット波動はそもそもが曖昧なツールであり、絶対的な原則を除き、色んな解釈や流派が無数に存在します。
「何をもって調整波とするのか」「明らかにチャートがエリオット波動に当てはまらないときにどうするのか」「エクスパンションの捉え方」など細かいルールの違い無数に存在するので、一律に何が正しいというのはありません。

単純に手法に定義づけがしづらいのと、トレンド転換のタイミングや上位足との波の兼ね合いに矛盾が出ていて、手法自体が理論的に破綻している部分が多い。
またエリオット波動にはいくつかの例外ルールが設けられていてそれもまたきちんと定義づけされていいない。
1872年に考案されたエリオット波動論が、
現代まで愛用者が多いのは、勝てるからではなく
- 後からなんとでも言えてしまう
- 人によって波形の捉え方の変化が起きてしまう
という曖昧性、後付け性が大きい手法であるから。
一般的なエリオット波動の条件で波を自動でカウントしてくれるMT4インジも作ったことがありますが、イマイチでした。
エリオット波動で過去チャートを解説するのは簡単。ただ未来の値動きを当てられる手法ではない。

「エリオット波動は最強トレード手法だ」
といってる方をたまに見かけますが、都合の良いところだけ切り取ってきて、使えてないところは目立たないから自分の脳内で勝手に無視してるだけっていうのがほとんどでした。

以上の理由からエリオット波動を直接的にエントリーで使うことは難しいと考えています。自分でバックテストを取れないのに波形、値幅、エリオットなどを突き詰めても聖杯探しの沼にハマるだけです。
一方でエリオット波動は「相場を見る上でのたくさんの気づき」を与えてくれた当時の相場分析においての革命的な存在です。
エリオット波動を直接トレードに取り込むというより「エリトット波動の考え方をトレードに応用する。」といった形が一番理にかなっていると考えています。
波の中に波が含まれているという見方

エリオット波動を観測するとき、実際には綺麗な直線の上げ方をしてくれるわけではなく、さらに細かい調整を挟みながら形成されています。
どの波を波として捉え、どの波を無視しているのか
波の中に波が含まれているという見方
エリオット波動にはチャートを見る上で大変重要な考え方が含まれています。
「前の局面を見た上で必ず定義付けをする」ということ。
- 1波が起こらないと、2波はないし、3波も起こらない
- 5波が起きないと、調整ABC波は発生しない
今の値動きの1つ前の局面に対しても定義づけされているのがわかりますね。
例えば、RSI(期間14)の30と70の逆張りであれば、どんな状況であっても現在値から「14本分のローソク足」に対してしかアプローチをかけていない。

つまりチャートに対しする視野がかなり狭い。

相場は直近の値動きだけでできているわけではないため、自分なりに局面の定義をつけ前の局面にも条件づけすることは勝つ上で必要不可欠で、必ずエントリー前に相場環境自体にに定義付けをするようにしましょう。(例:3回高値が切り上がってからでないとロングエントリーしない)
ダウ理論とエリオット波動

エリオット波動の基本原則には「第1波の高値を第4派の安値が割ってはいけない」などトレンドの定義づけが「極めてダウ理論の考え方」と近いです。
ダウ理論を学ぶことでエリオットを学ぶことにもなり、逆もまた然りです。
ダウ理論については以前解説してますのでどうぞ。

前回高値と安値を数値化してくれるZigZag

現在価格から一定の値幅水準に自動でラインを引くインジ



エリオット波動の考え方には共感できる部分もありますが、現代のチャートにそのまま当てはめるのは危険です。
相場で生き抜くためには「曖昧性をいかに排除するか」 これにかかってます。