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マーチンゲール法を使うと簡単にお金を溶かすことができます。今回は一度沼にハマると中々抜け出せない「マーチンゲール法」の危険性と負ける理由を解説します。
もくじ
→バイナリーオプションで多く使われる1つの資金管理法のことを指します。
具体的な流れは以下の通りです。
②負け判定だった場合、初期エントリー額の2倍にする
再度負けた場合、前回から更に2倍にする
③これを勝つまで繰り返し、勝ち判定が出たら最初の投資額に戻しリスタートする
わかりやすくに言えば、負けるごとにひたすら2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍…と賭け額を増やしていく「倍プッシュ」戦略です
非常にシンプルで世界的に有名な取引手法です。BOだけでなく、カジノなどのギャンブルでも使われている場合も多いテクニックでもあります。

バイナリーで真剣に生活していきたいと考えているのならばマーチンゲール法に使ってはダメです。
多くの初心者がマーチンゲールの恐ろしさや仕組みをロクに理解していないで利用しています。
今回は「ただマーチンってダメだよ!恐ろしいよ!」と頭ごなしに否定するわけではなく、1つ1つ順を追っていてマーチンゲールの仕組みを論理的に解説していきます。
では、今度は具体的にバイナリーでマーチンゲールは何故やってはいけないのか?を解説していきましょう

バイナリー業者のペイアウト率

バイナリーオプション取引を行う際には、全ての業者でペイアウト率(払い戻し率)が設定されています。
大手のバイナリー業者 HighLowの場合をあげてみると…
Turbo取引…30秒:2倍 1分:1.95倍 3分:1.90倍 5分:1.85倍
HighLow取引…15分:1.88倍1時間:1.89倍 1日:1.90倍
要は「エントリーすればするほど手数料がかかる」わけです。
以前「Turbo取引は推奨しない」と言う記事を書いたので、
勝った場合は8800円増えるが、負けた場合は1万円減る
このペイアウト率のせいで、プレイヤー側はエントリーした時点で不利な状態に立たされています。
バイナリーでマーチンゲールを行うためには、ペイアウト率によって
『単純に2倍プッシュのマーチンだと回数をこなせばこなすほど、利益がペイアウト率のせいで減る』ということが起こります。
よって、バイナリーでマーチンゲールを行う場合は、ペイアウト率を考慮した倍率のベット方法でないといけない。
- 1回のマーチンで約2.1倍
- 2回のマーチンで約4.5倍
- 3回のマーチンで約9.6倍
でエントリー額を増やしていく必要があります。
つまり3マーチンする手法であれば、最低エントリー額である1000円ベットでも9600円以上初期資金がないとこの手法は成立しません。
9600円以上失うリスクを背負うにも関わらず、
勝っても880円しか利益を得られない。
このことからわかるように損大利小で資金効率がめちゃめちゃ悪いんですね。
スプレッド取引(2倍取引)を使ったマーチンゲール手法

では、ペイアウト率2倍のスプレッド取引ではマーチンは使っても問題ないのでしょうか?
スプレッド取引(不利な場所でエントリーさせられる代わりにペイアウト率2倍の取引)でマーチンゲールを永遠にやれば、一見無敵そうに見えますが、実際スプレッド取引は面白いくらいに勝て無いようになっています。
スプレッド取引はスプレッドが相場のボラティリティ(変動幅)や出来高により刻一刻と変わるため、期待値が激しく不安定になります。
通常の取引と比べて「約10%勝率が下がる」風に考えた方が良いと思います。
(どの程度下がるかはロジックにもよりますが、バックテストをとりようがありません。)

ちなみに同じ通貨ペアで同じボラでも、スプレッドは日によって変化します。業者の気分次第です(苦笑)

マーチンゲールを使うと破産確率が上がる

そもそもマーチンゲールというのは構造上、破産確率はうなぎ上りなのに、期待値は一切上がらないという性質があります。
先ほども申し上げたようにマーチンをすればするほど「大きいリスク」を背負うことになり、勝った場合には1回目の利益しか出ない。
マーチンしたところで目先の勝てる確率はもちろん上がるけれども、絶対に勝てる保証はどこにもない
無限にマーチンゲールを行えば理論上は勝率100%ですが、
現実には最大エントリー額(ハイローの場合は単発20万 連打500万)や
資金の問題で無限にマーチンを続けることはできません。
つまりマーチンが崩壊した場合を考慮しなきゃいけない
マーチンゲールでエントリーした時の期待値
- 手法の勝率は50%である
- 1回のエントリー額は1000円
- ペイアウト率は1.88倍
- 3回マーチン上限する

この条件をもとにエントリーした場合、最大勝ち額と負け額はいくらになるでしょうか?
1000円(エントリー額)×0.88(ペイアウト率)=880円
1000円(エントリー額)×9.6=9600円
つまり「1回マーチンが崩壊したら、それを取り戻すのには約11回かかる」
3マーチン上限の場合は、12.5%の確率で3連敗で破綻します。
すなわち「8回に1回は3連敗」が起こります。
1万円運用だと1回破綻、2万だと2回破綻でおしまいです。
どれだけマーチンゲールが簡単に資金をショート(破産)させてしまうか容易に想像つきますよね。
今回は、わかりやすく1000円で説明しましたが、バイナリーをこれからやっていく以上 1回1000円エントリーのままで終わるはずがないわけで。
これを5000円でやったり、1万円でやったり、さらに資金が減るスピードは早くなる。バイナリーで100万や1000万単位のマイナスを出す人がいるのは、これが理由です。

マーチンゲールで勝率がアップする仕組み
よく巷のシグナルツール、配信グループで「1マーチン推奨」「2マーチン推奨」といったような設定がされている場合があります。

過去私がお話を伺った方で「300万のツールが入ったUSBメモリを買わされ、中身を開けてみたら3マーチンする手法だった」という話を聞いたことがあります。
シグナル配信やシグナルツール販売している方で無知な初心者に対してマーチンを推奨している人は数え切れないほどいます。
何故ならば販売者にとってはこれほど良いまやかしは無いからです。
当然ですが、マーチンをすると「目先の勝率」は上がります。
バイナリーの場合、目をつぶってエントリーしてもハイかローしかないので何もしなくても、基本的には勝率50%(2分の1)※になります。
(部分的に見れば5連勝や5連敗することもあるかもしれないが、エントリーの数をこなせばこなすほど50%に近づいていきます。)(※隠しスプレッドや引き分け負けを考慮しないにおいて)
マーチンゲールを使った勝率75%手法

1回目で勝つ場合の勝率に加えて
マーチンした分を「ドーピング」することができる。
ぱっと見でツールの紹介文で勝率75%とか、90%以上あるって言われると「なんか凄そうだ」と感じてしまう。
結果として現に「300万のツール」買っちゃう人もいらっしゃいます。
仮に今マーチンの手法をやっているなら即刻やめることを推奨しますし、シグナル配信に参加しているのなら距離を置いた方が良いでしょう。
すでにたくさんお金を費やしていて「未練がある」場合もあるでしょうが、
あなたの将来にとってそれらは何も役に立ちません。
それどころか更にお金と時間と労力を無駄にする羽目になります。
「正しい損切りをしないと骨までしゃぶり尽くされます」

マーチンを行うと、目先の勝率は上がったように見えますが、それはあくまで『一時的なまやかし』にすぎません。
資金効率の悪さ、破産確率の爆発的増加、期待値は変化しないことから、実際はあなたを破産へまっしぐらにさせるのがマーチンゲールの正体です。